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暇文 暇なときに書いてみた文章

神出鬼没の自己言及

Führer

今回は、やる夫で学ぶシリーズの超秀逸スレをご紹介。
その名も
 
「やる夫がフューラーになるようです」
 
フューラーって何さ。そう思う方もいるかと思います。
こちらの言葉、ドイツ語の単語です。
訳すとしたら……「総統」でしょうか。
 
ここまで言えばお分かりの方も多いはず。
このスレでは、かのアドルフ・ヒトラーがドイツで独裁体制を敷くまでの半生を、
彼自身の姿をやる夫に置き換えて描いていきます。
 
ヒトラー、ああ、ドイツの独裁者の人ね。
自分もそんな程度の認識しか持っていませんでした。
極悪非道の独裁者、特殊なケースの人間…… 
そうも捉えていたと思います。
自分が思うに、このスレから学び取ったことで一番大きいのは、
ヒトラーも一人の人間である」ということ。
片田舎に生まれた、落ちこぼれぎみの、政治思想の偏りがちな、
自尊心が高い青年…
どこにでもいるんですよ、もちろん日本にだって「候補」はいくらでもいる。
そのことに気づけただけでも、俺の中では大収穫です。
 
普通に物語として読んでも大変面白いです。
先がわかっている物語、だからこその魅力。
それが存分に味わえると思いますよ。
作者の方いわく、

「やる夫」があのような思想を持つに至った理由と
当時のドイツ人が「やる夫」を選んだ理由に
できるだけ深く迫るのが物語のテーマ

だそうです。
実際、この時代のドイツ及びヨーロッパの背景が
物語としてわかりやすく描かれ、
「やる夫」の半生がこうなった理由を描いています。
 
このスレを読み終わったとき、思わずため息が出ました。
あるレスの言葉を借りるなら
「世界で最も応援できないサクセスストーリー」
それを70数年の時間が経たときに見届けた感想……
そんなものを感じて、考える、ってことが大事だと思います。
 
自分に無関係な物語ではない、そう考えて読むだけでも
なかなか興味深いものが得られんじゃないでしょうか。
個人的には「やる夫スレ屈指の名作」
多少完読には時間がかかりますが、是非読んでいただきたい。
特に普段歴史に興味を持たない人ほど、です。
 
この話を知ることが、次の同じ機会においては
「防御」として通用するのかもしれない…
 

見よ、侮る者たちよ 
 驚け、そして滅び去れ
 
わたしは、あなたがたの時代に一つの事をする
 
それは、人がどんなに説明して聞かせても
 あなたがたの到底信じようのない事なのである