暇文 暇なときに書いてみた文章

神出鬼没の自己言及

第5回

実に一年ぶり(第4回は2012年3月3日更新)となるロゴ百選。
今日は3月11日。当然のことながら東日本大震災から丸2年となる日です。
昨年は、震災から1年を迎えた自分の想いを徒然なるままに書いたりしてみましたが、今回は少し奇を衒って、というかちょっと変な感じにダイビングしてみようと思います。
という訳で、今回のロゴ百選は「東北にまつわるロゴ」です。
 
 
その16:東北楽天ゴールデンイーグルス

皆さんご存知、仙台に本拠地を置く、東北の地元球団です。
2005年に新設されて以降色々と苦難の歴史を歩みつつも、今ではすっかり東北の球団として人気を得まして、CS争いにも参加する程になっています。素晴らしい。
「EAGLES」の文字と翼の意匠を上手く組み合わせて、金で縁取る。まさに「黄金飛翔球団」ですよね。
スポーツが困難の中の人々に勇気を与える、というのは結構本当の話だと思います。
1995年の阪神淡路大震災が起こった際、被災地・神戸を本拠地とする球団オリックス・ブルーウェーブ(現オリックス・バファローズ)は『がんばろうKOBE』を合言葉に、被災した神戸市民を励ますため一丸となって、ついにリーグ優勝を果たす……という出来事があります。
当時のオリックス宮内オーナーは「こんなとき神戸を逃げ出して何が市民球団だ」と主張したそうです。
……なんかオリックスの応援になっちゃったな。
もちろん楽天が2011年奮起したのは言うまでもなく、田中将大投手(いわゆる「まーくん」)が最多勝最優秀防御率などなどの投手四冠王に輝いています。
昨シーズンも3年ぶりに勝率5割台に乗せてきました。
2013年シーズンは果たしてどうなるのでしょうか、東北復興への「黄金の翼」は羽ばたくのでしょうか。
 
 
その17:河北新報社

宮城県仙台市に本社を持つ新聞社です。
ロゴデザインはかの有名な永井一正氏。氏は「JR」や「日清食品」のロゴマークでも知られています。
因縁という程のものでもないでしょうが、東京電力ロゴマークを手がけたのも彼だというのは少し面白いかもしれません。
さて「東北」ではなく、この「河北」という社名ですが、話は明治維新の頃にまで遡るそうです。
当時の一大勢力、薩摩長州。彼らはやっと中央の政治に関わることが出来て浮かれていたのかわかりませんが、「白河の関(現福島県白河市)より北は、山ひとつで100文の価値しかない」みたいなことを言ったそうです。地方コンプレックスと言ってしまうと短絡的かもしれませんが、とにかく失礼です。
そこで、河北新報社の創業家は、その侮蔑に対して意地を見せるべく「白河の関より北の場所」→「河北」という名をつけたそうです。
社名からして既に「やってやるです」という意地、プライドが見え隠れしているとは、良いじゃないですか。
詳しい資料がないので、申し訳ないことにこのロゴが何をモチーフとしたかの詳細は分かりませんが、おそらく奥羽山脈であるとか、太平洋の波であるとかそこら辺を表現している気がします。
最近のロゴとして流行りは青系の色なんですが、こちらもご多分に漏れずそうなっています。クールで落ち着いた印象を与えます。常に冷静な判断と客観的な視点が求められる新聞社には適した色合いでしょう。
報道の正義が問われる昨今、河北の名を背負う以上、汚すことのないよう頑張っていただきたいです。
 
 
その18:がんばろう ふくしま!

企業・団体のロゴを2つ紹介しましたが、ここでまさに「復興」へ向けたロゴマークを一つ紹介します。
福島県が、県と県民が一丸となって復興へと取り組んでいくために、制作したロゴマークです。
いわゆる「復興ロゴ」というのは他にも多くある訳です。検索して頂ければ大量に見つけることができますし、おそらく街中でもいくつも見かけられるでしょう。
じゃあ何故これを取り上げたか?
 
 
 
色でしょ。
復興ロゴというのは、日の丸をモチーフとしたものが多かったです。つまり赤を基調とした色合いで、円を元にしたデザインってことです。
「日本は蘇るぞ!」という意味では素晴らしいと思います。しかし数が数ですし、ちょっと傍目にはお互いに埋もれてしまっているのは否めなかったです。
そこでこのロゴですよ。
緑色は赤色の補色だというのは皆さんご存知でしょう。大変に目立ちます。おそらくデザインされた方はそれを考えたのではないでしょうか。
「がんばろう日本」という言葉の中に埋もれがちな真意を、日の丸の赤の中に紛れそうなエールを、一気にバーンと表舞台に掘り起こすロゴマークだと思います。
東北関係のロゴでザーッと見ていって、ふと目にとまったロゴがこれでした。何千何万とある会社・団体・計画の中でどれが人々の目を惹くかの生存競争が、ロゴマークという武器を元に行われている訳ですから、自分の中ではWINNER:福島県といったところです。
「FIGHT! FUKUSHIMA!」 「闘い」はまだ終わらないのでしょうね。
 
 
さて、少ないですが3つほど紹介しまして今回は終わらせて頂きます。
余談ですが、こんなサイトもございます。
「DESIGN FOR JAPAN」
世界各国のクリエイターがロゴマークやポスターといった「デザイン」を使って、震災復興への支援をするという趣旨のサイトです。
震災という災厄は、以前以上に人々の繋がりというものを浮き彫りにしました。それはデザインについても同じです。アイデアを持ち寄って、より洗練していって……そんな空間から最高のロゴマークなんてのも生まれてくるんでしょう。
 
さて毎度のことではありますが、ロゴ百選では皆様からのご意見をお待ちしています。
「こんなロゴが良い!」「このロゴ頭から離れない!」なんてロゴマークがありましたらどんどん情報をお寄せください。お待ちしています。
それではロゴ百選、第6回でお会いしましょう。